こんにちは! SN校内新聞編集部です。
「高校魅力化プロジェクト」を進める島根県立津和野高校での取り組みを、3名いる魅力化コーディネーターのうちの1名として勤務する山本さんにお話いただく第2弾(全3回)。
今回は、コーディネーターのような学校外の人材をどう活用するか、そして、高校の魅力をどんな方法で発見・向上させ、生徒の進路実現や生徒募集につなげていくことができるかお話を伺いました。
●高校魅力化1:過疎地域だからこそできる! 劣勢を味方にした津和野高校の生徒募集とは
—先生方と学校外部人材でどうタッグを組んで学校の魅力化を図っていくかは非常に難しい問題ですよね。
「高校魅力化プロジェクト」の魅力化コーディネーターの業務は多岐にわたります。それぞれが広報や「総合的な学習の時間」のデザインなどを分担しながら進めていますが、私が担当しているものは、大きく分けると「生徒募集」「進路指導」「授業」になります。それ以外にも多くのものを担当しています。
生徒募集に関してですが、島根県には「しまね留学」という仕組みがあり、県外の生徒の入学を一定の割合認めています。島根県一括で合同説明会があって、少人数教育ができるということを謳いながら、全国から中学生を募集しています。
私たちはそうした東京や大阪での説明会でプレゼンテーションをし、保護者・生徒の相談にも乗ります。こうした取り組みを地域の内外の方々にも知ってもらえるように、広報の役割も果たしています。
—どんな子が津和野高校に関心を持ってくるのですか?
説明会にいらっしゃるのは、都会の激しい競争社会や、偏差値教育というものに疑問を感じている方、それがうちの子には合っていないと感じている保護者が多いですね。子どもにもっと向き合ってほしい、もっと可能性を開くような指導をしてほしい、という要望がよく聞かれます。
PR活動の成果もあり、県外からの入学者が増えました。津和野町にある中学校は2校を合わせても1学年50人弱しかいませんので、町内の子どもだけで高校維持することはなかなか難しいです。その点では、生徒募集は成功していると考えています。
—少人数というのは、個別に指導ができるメリットがある一方で、閉鎖的になる可能性もあるのではないでしょうか?
その通りですね。生徒募集の目的は、ただただ人数を増やすということではなく、「多様な生徒と触れあえる魅力的な環境を提供すること」であると思っています。
田舎では、同じ顔ぶれで18年間過ごすということも珍しくありません。ですが、多様な人と過ごして刺激をもらえることは、自分のキャリアや考え方、あるいは協働の力につながると思っています。だからこそ、生徒募集の充実は多様な人と触れ合う環境を創出するためにも必要なことなのです。
—続いて、進路指導において、教師と魅力化コーディネーターなどはどんなふうにタッグを組んでいるんですか?
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