こんにちは! SN校内新聞編集部です。
今回のテーマは、「高校生の進路指導」。文理選択や受験校のアドバイスなど、生徒が人生を真剣に考えるきっかけになる進路指導だけに、どのように進めていけばいいか迷ってしまいますよね。そこで今回は、進路指導部の中でも大学進学指導の経験が長く、多くの生徒と関わってきたO先生からお話をうかがってきました。先例のない画期的な進路施策を次々と実現されてきたO先生が考える、進路指導改革を実現するための鉄則などを、全3回にわたってお届けします!
ー進路指導で悩む高校の先生は少なくないです。自校でこれまで行ってきた進路指導を続けていくべきなのか、それとも新たな指導をすべきなのか、迷う先生もいるのではないですか?
「生徒に理系を勧めるべきか」「どの大学を受験校とすべきか」……高校生の進路指導には頭を抱えてしまいますよね。子どもたちのためになることをやってあげたいと思いながら、つい前年踏襲の進路指導を繰り返してしまうという先生もいるかもしれません。
ただ、生徒を取り巻く環境は年々変化しています。前年踏襲であったり、周りの意見に流される進路指導を続けていたりすると、かえって彼らのためにならない、ということになりかねません……。
たとえば進路指導の大きなポイントである文理選択について。昨今は理系ブームで、将来のために専門的な知識や技術を身につけるために理系を志望する生徒が多くなっています。「就職をしやすいから理系」と考えている傾向も強い。教師や保護者もそんな風潮に流されて、「迷ったら理系」という選択をしがちです。
しかし、私は「本当にそれでいいの?」と思ってしまうんです。もちろん、これからの世の中、理系人材が活躍する場は増えていくでしょう。しかし、本人の得意や興味を無視して理系の道を選ぶことは考えものです。
ー教師や保護者は、子どもの将来が安泰になるよう願って進路を勧めているんですよね。それはそれで堅実な道にも見えますが……?
そうですね。しかし、その”安定志向”は必ずしも正しくないと私は思います。
たとえば、私が関わった生徒の中に、「国語や英語ができないから、理系を選ぶ」という生徒がいましたが、いざ理系になってみると理系科目もできなかったんです。こうなると大変。
そもそも理系科目が苦手なので浪人しても、伸び悩んでいました。その上、理系の大学に入るとそのまま将来の仕事につながっていきますから、苦手な分野から生涯離れられないということになりかねません。
「理系は“つぶしがきく”」「資格を取れる道に進んだ方がいい」といった、一般的な情報だけで進路指導をしてしまうことには大きな問題があると考えています。その時々の社会状況や、生徒のレベル、ニーズをきちんと掴んで進路指導をしなければならないでしょう。そこで求められるのが、「状況に合わせた的確な進路指導」なんです。
ーこれまでなされてきたような指導ではないものが求められるということでしょうか? しかし、学校では新しい取組みはなかなか始めにくいと聞きます……。
そうですね。状況に合わせた進路指導を実現するには、ときには、先例のない指導を行う必要も出てくるでしょう。とはいえ、新しい取り組みを導入するのは簡単なことではありません。
そこで、私の実体験の中から生まれた、進路指導に新たな施策を入れるための7つのポイントをお伝えします。
ー前年踏襲の文化や多忙感があり腰が重い先生もいる中で、どのように新たな取組みをスタートさせたらいいのですか?
生徒のことを考えて思いついた新たな進路の取り組み。成功の鍵を握るのは“手順”です。
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