体育でもアクティブ・ラーニング!? 成功の鍵は先生の「いい●●」だった

こんにちは! SN校内新聞編集部です。

みなさんは、体育でアクティブ・ラーニングをどのように実践していますか? 長年アクティブ・ラーニングを実践してきたK先生の原点のひとつは、いまから24年前に研究した体育の跳び箱の授業だそうです。その原点の学びをもとに、どのようにして子どもたちの主体的な学びを実現してきたのか実践例を教えていただきました。

第1回の記事「注意! アクティブ・ラーニングを始めるときに陥りやすい4つのポイント」ではアクティブ・ラーニングで陥りやすいポイントを教えてくださったK先生が、体育の授業ですぐに実践できるアクティブ・ラーニングの具体例や手法をお伝えします!

19コマの授業、1982文を分析してわかったこと

●K先生のアクティブ・ラーニング連載、第1回目→「注意! アクティブ・ラーニングを始めるときに陥りやすい4つのポイント」

突然ですが、ちょっと昔の話をさせてください。

1993年、私は12人のグループで研究をして、大修館書店の『体育科教育』の懸賞論文で賞をいただきました。

そのころ文部省(元文部科学省)が推進していたのは「個別化教育」(懐かしい!)。ひとりひとりが個別の目当てを持って取り組む学習手法です。体育だと、ある子どもはこちらで鉄棒をやって、ある子どもはタイヤを引っ張って筋トレをするような状態でした。

「自分で好きなことを選んでやることが主体性を育む」というのがその手法の主張でしたが、私は「さすがにそれはちょっとおかしいんじゃないか……?」と感じていました。だって、あまりにもクラスがバラバラで、先生もまともに教えることがむずかしい状況でしたから。

それで、「子どもたちが自ら課題をとらえて習得していくにはどうすればいいのか?」というテーマで研究したわけです。

具体的に研究したのは、跳び箱の「はね跳び」です。

いまではとても無理でしょうが、あるクラスで体育の授業を19回も使ってはね跳びに取り組んでもらったんですね。そして授業の様子をビデオカメラで撮影し、子どもたちが授業中にどんなことを喋っているかすべて書きだしていきました。

子どもたちの言葉は、文の数にして1982文(!)。12人で分担しましたが、大変な作業で死ぬかと思いましたよ(笑)。この1982文を読み込み、子どもたちがはね跳びを習得していく過程を分解していったわけです。

そしてこの分析で導かれた結論は……、