SN校内新聞です!
少し前ですが、高畑勲監督の「かぐや姫の物語」が地上波で放映されましたね。
アニメーションとしての素晴らしさはさることながら、多くの女性たちが"私"の物語だと思える作品を、男性である高畑監督が作り上げたことに本当に驚きました。遺作となってしまったこと、本当に残念です。
その「かぐや姫の物語」をロンドンで英語字幕付きで観たという英語はおかずさん(@letseatenglish)、鑑賞後にこのようなつぶやきをされておりました。
かぐや姫の物語はロンドンで字幕付きを観ました。作品そのものもさることながら、一番衝撃を受けたのは「まつとし聞かば今帰り来む」の英訳が素晴らしかったことです。
— 英語はおかず (@letseatenglish) 2018年5月18日
ご存知の通り、この詩は「まつ」が「松」と「待つ」の掛詞になっています。なんと英訳でもこの掛詞が成立していたのです。
その英訳がこちら:
— 英語はおかず (@letseatenglish) 2018年5月18日
If I hear that you pine for me, I shall return to you at once.
To pine for 誰か・何かを恋しく思うこと、思い焦がすこと
そしてなんとpineは松という意味もあるのです。この素晴らしい英訳はIan MacDougallという方が担当されたそうです。
す、すごい!
翻訳という作業はそもそもある程度の不可能性を前提にスタートしていると思っていましたが、掛詞までこんな見事に再現されているなんて…。
編集部註:他の方が検証した結果によると、Ian MacDougallさんのオリジナルの訳ではなく、作中の歌が引用している句(立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む/在原行平)の訳を参考にしていたようです。
参考リンク:http://www.netlorechase.net/entry/2018/05/19/223113
翻訳はもちろん、言語表現についても興味を持ってもらうきっかけになりそうなエピソードですね!