昨今話題になっている教員の多忙化問題。特に子供が生まれたタイミングで働き方がガラッと変わるという話をよく伺います。今回は前編と後編に分けて、どうやって家庭と仕事を両立しているのか、関西で教員を務める高校の先生に実体験を寄稿していただきました。
教職員は多忙で、ワークライフバランスを保つのは困難ですよね。
教育に従事する職業だからこそ、家庭や子どもを大切にし、その姿を生徒に見せる必要があると考えています。
そんな中、妊娠した妻を支えるべく、定時に帰宅するため、生徒に事情を全て打ち明けることにした実体験をシェアしたいと思います。
今年で高校教諭として10年目を迎えました。
初めての転勤を経験し、配属先は地域五指に入る進学校で、一年生担任と、運動部の顧問を任されることになりました。引っ越しを機に家を建て、生活も落ち着いてきたそんな矢先、妻の妊娠が発覚しました。
妻はこれまでに二度流産を経験しています。頸管無力症という体質のため流産や早産をしやすく、今回の妊娠では、なんとか安定期まで持ちこたえられたので、子宮頚管を糸でしばる手術を行いました。そのため、本来であれば出かけたり家事を行ったりできるのですが、妻の場合は、退院後も自宅にて安静を指示されました。
私も今回こそは無事に産まれて欲しいと思っているので、家事を全て担当することにしました。
二度の流産の経験から、妻はかなりの不安を抱えて生活しています。また、全ての家事を私に任せることに申し訳なさも感じているようでした。これらの点について私ができることは、少しでも話せる時間を確保し、不安を共有することだけです。
そして、家事を全てこなしつつ二人の時間を確保するためには、毎日定時で帰る必要があります。 とはいえ、定時帰宅を目指したはいいものの、当然仕事の量が問題になってきます...一年生担任で運動部顧問も持っているため、普通に仕事をしていると、まず定時には帰れません。
7限授業だと、帰りのSHRが終わった時点で16:20です。ここから17:00までの40分と授業の空き時間で仕事を終えるには、どう考えても無理があったので、生徒に事情を全て話して、協力してもらおうと考えました。
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