こんにちは! SN校内新聞編集部です。
学級崩壊問題、たとえいま直面していないとしても、先生であれば誰しも不安を感じるものですよね。なにせ、いつ・どこで起きてもおかしくないのが学級崩壊ですから……。
そこで今回は、小学校の荒れたクラスを次々と立て直し「学級崩壊解決のプロ(!)」と呼ばれているO先生に、問題が起きる理由や定義から解決するために先生ができる指導まで教えていただきました! 全3回にわたってお送りします。
第1回目として、まずは「学級崩壊のクラスの共通する3つのポイント」をお伝えします。ぜひ、ご自身が担任をされているクラスに当てはめてご覧ください。「うちのクラスの児童は大丈夫!」と思っていても、じつは学級崩壊の芽が潜んでいることもあるかも……?
「学級崩壊のクラスには当たりたくない!」
……そう思われている先生も多いんじゃないでしょうか? でも、どんな先生でも学級崩壊に直面する可能性はあるんです。
一時期は、学級崩壊についてメディアで派手に報道されていましたよね。最近はそれほどでもありませんが、じつは、残念ながら学級崩壊そのものは減っていないんです。
私は自分が務める学校のある熊本のほか、東京や福岡でも講演や勉強会をしています。そこで現地の先生たちからいろいろな話を聞かせていただいているんですが、「荒れたクラス」は地域によらず、むしろ増えているように感じます。ストレスから休職する先生も多く、悩ましい問題ですよね。
学級崩壊のクラスに当たってしまうと、つい「1年間乗り切りさえすれば……」と考えてしまうかもしれません。
でも、子どもたちにとっては、その1年が一生を左右することにもなりかねない。ですから、私たち教師は何ができるのか? 真剣に考え、向かい合い、解決のために取り組まなければならないと思います。
ここで少し、私が「学級崩壊解決のプロ」になるまで辿った経緯をお話させてください。
今でこそ小学校の担任として毎日子どもたちと接していますが、私はもともと一般企業の事務職。教育学部出身者でもありませんし、まさか自分が教師になるとは思っていませんでしたね。
そんななか事務の仕事を辞め、「どんな仕事をしよう」とぼんやり考えていたあるとき、ふと「小学校の先生」が頭に浮かんだんですね。
「これだ!」
稲妻に打たれた私は通信教育で勉強し、教員免許を取りました。なかなか採用されませんでしたが、しばらくして、念願かなって小学校の先生の仕事をもらえることに! ただ、臨時教諭として採用されたので、1年の間にいろいろな学校で短期間の担任をすることになりました。
そうして希望に胸を弾ませて担任になったんですが、はじめて受け持ったクラスがとても荒れていたんです。そう、いわゆる学級崩壊。「先生」自体がはじめてなのに、正直戸惑いましたよ。
でも、この子たちを何とかしないといけない。それが私の責任だと思って、他の先生のやり方を真似したり、自分でも試行錯誤しながら、とにかく子どもたちと積極的に関わっていきました。
その後、1日も空かずに次のクラスの担任になるわけですが、なんと、そこも学級崩壊……そして、さらにその次も。なぜか、同じような問題を抱えるクラスばかり続いたんですね。
でも、どのクラスも、必死に試行錯誤するうちに気がつくと学級崩壊から子どもたちが立ち直っていたんです。最初の頃はただガムシャラにやっていただけでしたが、経験が積み重なるにつれ、具体的な方法論を言葉にすることができるようになってきました。
そうして、いつからか私は「学級崩壊解決のプロ」と呼ばれるようになっていました。
まったくの素人である私でもできたんです。学級崩壊は、「解決できる問題」なんですよ。
前置きが長くなってしまいましたが、本題です。
そもそも、学級崩壊とはどんな状態でしょうか?
一般的には、「教室でボール遊びや私語をして授業にならない!」……といったイメージを持たれているかもしれません。ただ、そうした「わかりやすい状態」になる前でも、危険信号を読みとることはできるんです。
というのも、学級崩壊のクラスには、共通するポイントが3つあるからです。私はこの3つを満たしていることが、学級崩壊の定義と考えています。それではひとつずつご紹介するので、ご自分のクラスを思い浮かべながらチェックしてみてくださいね。
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