いつも見上げていた糸杉の生け垣は今では私の背より少し高いくらい、うっそうとしていて怖かった屋敷林は六つ子の建て売り住宅に、遠く感じていた学校までの道のりもコンビニに行くくらいあっという間で、時の流れを感じてしまいました…。
取り立てて何があるわけでもない私の通学路でさえそうなのですから、彼らが大人になったときに、その道のりは彼らの目にどう映るのでしょうか。
ドキュメンタリー映画「世界の果ての通学路」では、4つの国、4人の子供達の過酷ながらも美しい通学路が紹介されています。
アフリカはケニア共和国の11歳の少年ジャクソンは、6歳の妹サロメの手を引いて片道15㎞、約二時間の道のりを通います。しかもそこは野生動物達のかっ歩するどう猛なサバンナ、象やキリンを避けるために、通学路は毎日ジャクソンがその場で考えなくてはなりません。家で待つお父さんも、二人が学校に出掛けると毎日無事を祈って神さまに祈願します。そりゃ心配ですよね。
高校時代の私と、時々ずるをした中学生の私は自転車通学でしたが、南アメリカのアルゼンチンに住むカルロスと妹のミカイラはなんと馬通学!手綱さばきも慣れています。しかも馬のキベリトが走る大地はパタゴニア、旅行家で小説家のブルース・チャトウィンがあこがれた地が通学路だなんて!天候の不安定な「嵐の大地」ではキベリトの助けは欠かせず、二人はキベリトと大の仲良しです。
文化や環境は違っても、世界中の子供達が望むように学べる環境が整備されるといいですね。気になった方は是非ご高覧ください!