こんにちは! SN校内新聞編集部です。
筑波大学でキャリア教育の研究をされている藤田晃之先生による「棚倉町キャリア教育シンポジウム」での講演の内容を紹介するシリーズ。前回は、現代のキャリア教育の位置づけについてお伝えしました。2回目となる今回は、「なぜ、キャリア教育がそこまで必要とされるのか」という疑問に答えます。
前回、キャリア教育によって、子どもたちの学校でのあらゆる学びを、将来のキャリアと結びつけることが重要だとお話しましたが、それはなぜだと思いますか? ここで見ていただきたい統計があります。
国際教育到達度評価学会(IEA)が、世界の小学4年生と中学2年生を対象に実施したテスト「TIMSS2015」では、日本は算数(数学)と理科の成績は世界トップクラスでした。国際的に比較して、日本の子どもたちは勉強ができるんです。前回お話した「知識基盤社会」を担うにふさわしい知識を獲得する力は持っていると言えるでしょう。
問題はここからです。
TIMSS2015において、中学2年生を対象に数学の大切さや意義に関する意識調査したところ、「勉強すると日常生活に役立つ」など、ポジティブな設問に対して「強くそう思う」と肯定的な回答をした子どもの割合はわずか11%。調査した39の国や地域のなかで、38位でした。理科についても、残念ながら最下位でした。
この結果は、日本の生徒がいかに「数学や理科を勉強しても仕方ない」と思いながら勉強しているかを示しています。どうして、子どもたちはこのような考えを持ってしまうのでしょうか?
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