こんにちは!SN校内新聞編集部です。
高校生の進路指導についてS先生にお話を聞くシリーズも今回が最終回。前回までは、生徒に対する進路指導面でのアプローチを紹介してきましたが、今回は保護者に対する取り組みについてお話していただきます。保護者の不安が積み重なると、生徒の志望校のレベルを必要以上に下げざるを得ないことも出てきます。このような問題を起こさないために、教師として何ができるのか、一緒に考えていきましょう。
—せっかく生徒が前向きに志望達成のために努力を始めても、保護者がそれを阻害してしまうということもあるのでしょうか?
ありますね。進路指導においてこだわりたいポイントに、「選択肢をできるだけ狭めさせない」ということがあります。その際に気をつけなければならないのが、保護者の“過剰な不安”です。最近の保護者は、現役志向、近くに子どもを置いておきたいなどの考えを持つ傾向にあります。
子どもを心配する気持ちは理解できますが、自宅から通える範囲に絞って志望校を決めようとすると、選択肢はかなり狭くなってしまいます。生徒の成績や将来設計とマッチした学校が近くにあれば良いですが、なければ、生徒の将来にとって必ずしも最適でない学校を選ぶことにもなりかねません。
大学には、研究にあてられる予算や、教員ひとりあたりの学生数、大学院への進学率など、それぞれに特徴があります。私は、生徒には、こういった要素を踏まえて最適な大学を選んでもらいたい。その意味では、現役入学にこだわる必要もないと考えています。
—もう一年かけてじっくり勉強してもよいのではないか、ということですね。
もちろん第一志望に現役で合格できるのは素晴らしいこと。でも、本当に望む第一志望校に合格できる実力が身につかなかった場合は、無理に現役にこだわって志望校のレベルを下げるより、浪人して志望校を狙う方が良いかもしれません。
ある大学教授は、当校で実施した講演会で、「現役で大学に来るな」というお話をされていました。それは高校の学習内容が未熟なままで大学に入学しても、かえって苦労するという趣旨でした。しっかりと知識を身につけた上で入学した方が、大学生活が充実したものとなる可能性もあるんですよね。
—このような進路指導の考え方を保護者に伝える機会を設けていますか?
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